目次
- 学生時代に出会ったITの可能性
- IT導入補助金は金銭面だけではなく、システム導入の手助けもしてくれる
- 従業員一人ひとりと丁寧に向き合う
- 最後に残ったコミュニケーションの問題
- コミュニケーションをデジタル化すると「誰が何をしている」がわかる
- 最後に富士通デジタコのAPIマニュアルを贈呈
野々市運輸機工株式会社 代表取締役社長 吉田 章 氏 石川県金沢市で北陸エリアの鋼材や資材の混載・共同配送、倉庫保管を手掛ける企業の3代目社長。 業務のデジタル化を進める中、自身のIT知識やパソコンスキルを生かして「勤怠管理」 「ありがとうカード」「事故報告」などを自動化している。 さらに今後はマーケティングにも着手する予定で、DXを進める運送会社の手本になる要素が多い。 野々市運輸機工株式会社 公式ウェブサイト https://nonoichiunyu.com/
学生時代に出会ったITの可能性
聞き手:野々市運輸機工の3代目ということで、キャリアのスタートも野々市運輸機工から始まったのでしょうか。
吉田さん:というわけではなくて、 入社を延ばし延ばしにしてきましたね。高校卒業後、すぐには働きたくなかったので工科大学に進学しました。
聞き手:みんなそうですよね(笑)。私もそうでした。工科大を卒業されたということは、IT的なことがご専門だったんでしょうか。
吉田さん:そうですね。得意は得意でした。それでも、学校というよりかは、学生時代から趣味でウェブサイトを制作していたことで培ったものが大きいですね。大学の時にバンドをやっていたので、バンドメンバーの募集にインターネットを使ったりとか。うまく使うと、こうやって結果が出るんだなというような面白さというか、可能性みたいなものはすごく感じていました。
聞き手:なるほど。そして卒業後、現在の会社に入社されたと。
吉田さん:いや、その前に、当時の社長である父に北陸最大手&今でいう東証プライム上場の運送会社を勧められ、無事に採用されました。
聞き手:そちらにはエンジニアとしての役割で入ったんですか。
吉田さん:いや、ゴリゴリの営業です。毎日17時頃に外回りから帰ると、作業着を渡されて仕分け作業が始まり、20時頃に夕飯を食べて「もういっちょやるか」みたいなノリでした。
聞き手:ものすごいゴリゴリですね。
吉田さん:大手らしいダイナミックな動き方が面白くて、2年半ぐらい続けていましたが、大手なんでマネージャークラスになるまで時間がかかり過ぎると感じ、金沢に戻りました。
IT導入補助金は金銭面だけではなく、システム導入の手助けもしてくれる。
聞き手:その後に入られた野々市運輸機工の印象はいかがでしたか?
吉田さん:入社は2007年でiPhoneが販売された年です。世の中の変化が加速している中、当社にはデジタルのデの字も見当たらず、古き良き昭和の匂いが漂っていました。
聞き手:そんな中、いきなり業務のデジタル化とはいきませんよね。
吉田さん:デジタル化は手段であって目的ではないですしね。そんなわけで最初の2年間はドライバーをしていました。でも私はトラックの運転にあまり自信がなかったので、もうちょっと別の方向から会社に貢献しなければと思っていました。
聞き手:例えばどのような分野でしょうか。
吉田さん:通常の事務作業以外に、現在のSDGsにつながる「環境認証制度」や、全日本トラック協会の「Gマーク」を取得したりする業務を行ったりしました。
聞き手:今後のために必要と思われたのですね。
吉田さん:そんな中、社内の情報が部門間で共有できていないために、コミュニケーション不全を起こしていることに気づきました。「配車表は担当者しか分からない」「お金のことは経理や総務しか知らない」といった具合ですね。
聞き手:今も多くの企業が抱えているような課題ですね。
吉田さん:それから、やっぱり手書きの作業が非効率的でしたね。給与明細など、パートの方が「大変や、大変や」と言いながら何日もかけて仕上げていました。基幹パッケージを入れて、情報をデジタル化すれば、このあたりが解決すると思いました。
聞き手:実際成果は上がったんですか。
吉田さん:効果はありましたね。部門間の情報の受け渡しがシステム化されたことで、トラブルがなくなりましたし、数日かかっていた給与計算も数時間に圧縮できるようになりました。ただ、給与計算を手でやっていただいていたパートの方に「これで新しい仕事に取り組めますね」とやったら、辞められてしまいました。合理化もやればいいというわけではなく、色々配慮が必要なんだなということは学びました。
聞き手:なるほど。ところで、その時基幹パッケージを入れたのはやっぱりご自分の専門を活かされて…。
吉田さん:いや、今回の場合は、経済産業省が推進している「ITコーディネーター制度」を活用しました。経済産業省が認定している「ITコーディネーター」という資格があり、特定非営利法人ITコーディネーター協会※というところに、中小企業のための相談窓口があります。まずはそこに相談をし、アドバイスを受けながら導入を進めました。
※ITコーディネーター:https://www.itc.or.jp/kakushinit/ ITを活用した業務改善を支援するNPO法人で、まずはメール(responder-c@itc.or.jp)で相談することができます。
※編集部注:中小企業庁が監督をしている「IT導入補助金制度」という制度もあります。 こちらの方は中小企業に対して補助金が交付される仕組みです。 中小企業がIT導入補助金事務局に申請をすると、補助金が交付され、同時にIT導入支援事業者として審査を受け、 登録されたIT企業がITツールの導入を支援するために伴走してくれます。 参考サイト:https://www.it-hojo.jpIT導入補助金で交付されたお金を、事務局指定IT業者に支払い、導入のサポートを受けることができます。
聞き手:その辺は専門家の支援を受けられるんですね。
吉田さん:そこはすごく大きなポイントですね。私の場合、結構外部に頼るんです。この後、お話ししますが、「このままだと非常にまずいんで、組織改革をしなきゃ」というときにも、石川県産業創出支援機構(ISICO)に相談しました。中小企業には頼れる組織が結構あるので、積極的に行った方が良いです。IT化も、私が工科大学のバックグラウンドがあるから進められるというわけではなくて、あまりITに詳しくなくても、専門家の支援を受けることができるんですよね。
※編集部注:「石川県産業創出支援機構」は全国都道府県に設置されている 「都道府県等中小企業支援センター」と呼ばれる機関の一つで、各地で呼び名が異なります。 例えば、神奈川県であれば、「神奈川県産業振興センター」、川崎市であれば「川崎市産業振興財団」です。 経営に関する悩みであれば、ワンストップで応えてもらえるというコンセプトの団体です。
※石川県産業創出支援機構:https://www.chusho.meti.go.jp/soudan/todou_sien.html都道府県等中小企業支援機構の枠組み。IT導入補助金の構造と似ています。
聞き手:今回のインタビューも、吉田さんが「自分でバンバン考えてやりました」という話だと、読者の方へのアドバイスとして「まず数学を勉強して、工学部に入りましょう」ということになりますからね。安心しました。まずは、ITコーディネータに相談をしてみましょう、ということでいいのかもしれないですね。
従業員一人ひとりと丁寧に向き合う
吉田さん:そんな中、組織全体としてはリーマンショックの影響を受け続けていました。中でも頼りにしていた機械運搬の仕事が減り、ドライバーが社内のソファで暇そうに座っていたりとか。
聞き手:なかなか絶望的な。
吉田さん:ある日、ベテランのドライバーさんが私のいる部屋に突然入ってきて、「このままじゃみんな辞めていくぞ」と。新入社員にも「雰囲気が悪くて働けない」と辞められてしまい、非常にショックを受けました。そこで、先ほど申し上げた、石川県産業創出支援機構に解決策を相談しました。
聞き手:組織を変えていこうと思われたのですね。
吉田さん:最初は辞めた社員の人数を補おうと、真剣に「求人広告の“裏技”を教えてください」と依頼しました。でも「いやいや、それよりもチームビルディングですよ」と教えられ、都内のコンサルティング会社を紹介されて組織改革に乗り出しました。
聞き手:本質的な改革ですね。
吉田さん:最初はあまり、腹落ちしてなかったんですけどね。中小企業同友会への参加を勧められて、各々の会社の経営理念を考えるというような合宿に参加しました。
聞き手:経営理念。
吉田さん:最初は「いや、そういうことじゃなくて、明日どうすればいいか具体的な対処法が必要なんだ」と思っていたんですが、そこで「従業員ときちんと向き合えているのか」と経営の諸先輩方に言われまして。
聞き手:はい。
吉田さん:「そんな精神論、いま求めてないんだよなあ…」と思いながら。
聞き手:まだ腹落ちしない。
吉田さん:で、その宿題で「自社の歴史を振り返って、経営理念に反映させる」という話になり、家に帰りました。
聞き手:ええ。
吉田さん:2代前の社長、つまり祖父ですが、40年以上ここまでやってこられた理由は何だと思う、と訊くと…。
聞き手:何て仰られたんですか?
吉田さん:「従業員が頑張ってくれたから」と返ってきました。
聞き手:ははあ。
吉田さん:この瞬間、感覚的なものですけど、何かが腹落ちして、「社員と向き合おう」と心から思うようになりました。そして、続く全体会議で「力を貸してほしいので自由に意見してください」と従業員に伝えました。以前までは会社の方針を一方的に伝えるだけの会議でしたが、主旨を変えました。
聞き手:皆さんの声に耳を傾けようとされたのですね。
吉田さん:会議では「給与が低い」「休みが無い」「仕事がきつい」の他、しまいには私たち家族のプライベートなことまで苦情を頂戴しまして(笑)。でも最後まで聞くと決めていたので、悲しい気持ちになりながらもすべての意見を書き留めました。
聞き手:自由に話していいぞ、と言いながら、実際に話し始めると不機嫌になる経営者もいる中、よく耐えましたね。
吉田さん:それで、ある従業員が「私たちと向き合うならついていく」と言ってくれ、場の空気が変わりましたね。「この会議、良かったね」という声も聞こえてきて「歯車が動き始めた」と感じました。
聞き手:学園ドラマみたいです。
吉田さん:それから全社員との個人面談を開きました。最初は不満だらけでしたが、もう絶対に言い返さない。「なるほど。はい」しか言わない。「話を聞いてほしい人がいる。聞くだけで変わることがある」と気付きましたね。
聞き手:弊社もそうなってほしいです。
最後に残ったコミュニケーションの問題
吉田さん:組織が良い方向に進み、業績も改善していく中、毎年の個人面談を通して最後まで課題に挙がっていたのがコミュニケーションの部分でした。平たく言うと「言った言わない」です。
聞き手:縄文時代からありそうな問題ですよね。
吉田さん:私自身も「相手の気持ちを考えて」みたいなことを言ってたんですけど、まあ解決しないわけですよ。で、よく考えたんですが、例えば1人の配車担当と40人のドライバーの1:40のコミュニケーションってそもそも構造的に難しいんじゃないかと。
聞き手:ああ、なるほど。
吉田さん:どうしたものかなあと思っていた矢先に、父から私のスマホにバンバンLINEが送られてくるのを眺めて、「あれ?これ、スマホ使えるな」と。それをヒントに2018年に社員の携帯電話をスマホにしました。
聞き手:とは言え、結構お金が掛かるのでは。
吉田さん:端末代は別ですけど、40台契約で月2,000円/台なので、端末さえ慎重に選べば、そこまでではないです。
聞き手:割といける金額だと。そのスマホをどのように使われたんですか。
吉田さん:さっそく翌週から「緊急時を除いて通話を禁止し、あらゆるコミュニケーションをチャット化する」と決めました。
聞き手:ええっ!通話禁止ですか!
コミュニケーションをデジタル化すると「誰が何をしている」がわかる。
吉田さん:ビジネスチャットツールの「Chatwork(チャットワーク)※」というアプリをスマホにインストールして、それを使ってもらうようにしたんです。
※Chatwork:https://go.chatwork.com/ja/
聞き手:ああ、Chatworkですか。私も使っていますが、基本的に無料で操作方法もシンプルです。しかし、当時の運送業界では相当なチャレンジでしたよね?
吉田さん:各自のスマホにインストールすると、思ったよりもスムーズに使い始めてくれました。そして、翌年の個人面談からコミュニケーションへの不満が劇的に減りました。
聞き手:チャットはどのような効果を発揮してくれたのですか?
吉田さん:まず、やり取りが残るので、言った言わないがなくなる効果は当然ありました。それから、コミュニケーションの効率性も上がります。例えば、ある情報を5人に伝える時、電話だと5回かけることになります。でもグループチャットにすれば1回で済みますよね。また、ある人に伝えた情報をグループ内の全員で共有することもできます。
※こちらも参考にどうぞ: 「今すぐできる!本当に役立つ運送業のDX事例① お金を掛けない物流DXでコミュニケーション改革!」 https://logisticsdx.com/logistics_dx/1065/
聞き手:言った言わないがなくなり、さらに、情報伝達の回数も減る。管理者さんのストレスがだいぶ軽減されそうですね。
吉田さん:それから、ドライバーの不満も減りました。
聞き手:どのようにですか。
吉田さん:ドライバーは単独で動くことが多いため、以前は「あの人は楽な仕事をしている」と勝手に思い込むケースが見受けられました。これをグループチャットにして見える化され、各自がお互いの仕事を確認できるようになって、そういった思い込みがなくなったんです。
聞き手:公平性が担保されるようになったんですね。
吉田さん:付け加えると、ちょっと専門的な話になりますが、ChatworkはAPI(Application Programming Interface/ソフトウェアやプログラムをつなげる仕組み)連携により、他のアプリケーションと接続しやすいことも採用した理由です。
聞き手:吉田さんの真骨頂が発揮される部分ですね。
吉田さん:私がある程度のソースコード(ソフトウェアやプログラムの設計図になるもの)を書けるので、さらなるDXを見据えてChatworkにしたんです。例えばGoogleのスプレッドシート※とChatworkとのつなぎ目になるソースコードを書くだけで、多くの作業を自動化できます。
※編集部注:スプレッドシートとはエクセルのような表計算ツールの一般名称です。GoogleはChromeなどのブラウザで使えるGoogleスプレッドシートというツールを提供しています。
聞き手:スプレッドシートに入力した情報をチャットに飛ばすのですね。シンプルですけど、強力ですよね。こういうアイディアが浮かぶ辺りは、なかなか普通の方にはできない部分です。
吉田さん:具体的にいうと、紙に書かれた事故情報はそのままだと埋もれてしまい、特に新入社員は知る機会もありませんよね。すると、同じ事故を起こしてしまう可能性が高まってしまいます。あまりにももったいないので、スプレッドシートに入力しておき、毎朝7時台になると自動的にグループチャットに流れる仕組みを作りました。
聞き手:こうなると他の業務も自動化したくなりますね。
吉田さん:だから今では、お盆、正月、ゴールデンウィークなど、まとまった時間を取れる時にはひたすらソースコードを書き、各種業務を自動化しています。例えば、よく紙でやり取りをする「ありがとうカード」も、最初は紙でしたがシステム化しました。
聞き手:あ、弊社もやってます。「ありがとうカード」※。
※編集部注:「「ありがとう」を贈り合う。富士通が実践するサンクスプロジェクトとは」(フジトラニュース) https://www.fujitsu.com/jp/microsite/fujitsutransformationnews/2022-10-14/01/ お目汚し恐縮です。
吉田さん:Googleフォームで相手を選び、メッセージを送るとChatworkにメンション(誰に宛てた内容なのかという表示)付きで流れます。しかも遊び心を加え、100回に1回の確率でクオカードが当たるよう設定しました。
聞き手:なるほど。送るモチベーションも上がるし、みんなに見てもらえると、送られた方もうれしさが倍増しますよね。弊社もこういう仕組みなら…(以下自粛)。
吉田さん:Chatworkと連携できることはまだまだたくさんあります。これまで何日も費やしてきた仕事がどんどん減らせますよね。
聞き手:吉田さんのように自らソースコードを書けなくても、これなら安価に発注できそうですね。なんだかChatworkの宣伝※をやっているような気持ちになってきましたが。
※せっかくなので是非Chatworkさんのサイトをご覧ください。:https://go.chatwork.com/ja/
最後に富士通デジタコのAPIマニュアルを贈呈
聞き手:色々とデジタルを取り入れて、会社を改革してこられましたが、次はどんなイメージを持たれていますか?
吉田さん:基本的な私のスタンスとしては、他業界のやり方を取り入れるという考え方です。社内やお客さまとのデジタルなコミュニケーションは構築できたので、次はマーケティングでDXを進めたいですね。
聞き手:マーケティング。
吉田さん:例えばお客さまにメルマガを送ってランディングページ(最初にアクセスするページ)に誘導します。ここで「Zoho Marketing Automation」というツールを使い「サイト内のどこを閲覧したのか。何に興味を持ったのか」などと分析をして、相手が求めていると思われる情報を再びメールで送信するのです。
聞き手:見込み客一人ひとりに向けたプロモーションですね。
吉田さん:また、若者の採用活動として、SNSも活用しています。「TikTok(ティックトック)」を利用したところ、短い動画でも10万回再生に達しました。フォロワーが少なくても“バズる”可能性があることがわかりましたね。
聞き手:これまでハローワークが中心だった採用活動も、デジタルで変化が起きそうですね。
吉田さん:従来のリクルーティングではなく“Z世代”に刺さる方法を考える必要があります。インターンの内容も再設計したいですね。
聞き手:学生時代に気付いたインターネットの可能性を追求されていますね。ところで、APIを利用してChatworkを活用されているということを事前に伺っていたもので、こういうのを喜んでいただけるんじゃないかと思いまして。富士通デジタコもAPIが使えるようになったので、APIリファレンスマニュアルの初版をお持ちしました。
編集部注:富士通デジタコAPIの詳細はこちら ウェブサイト:https://www.transtron.com/itp/marketplace/index.html?utm_source=owned&utm_medium=owned 動画:https://youtu.be/9H3KKT_8a8A 富士通デジタコAPIオンラインリファレンス: https://www.transtron.com/itp/marketplace/api/index.html?utm_source=owned&utm_medium=owned
吉田さん:すげえ。うれしい。うおー。やばい。めちゃくちゃ面白いですね。お正月はこれを試し倒します!
聞き手:富士通デジタコのAPIで新しく業務を改革されたときには、ぜひ改めてお話をお聞かせください。
編集部注:ここで紹介されているサービスや制度は2022年12月現在のものです。 変更や廃止される可能性もありますので、最新状況を必ずご確認ください。
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