
簡単!安価!新しい物流DXの仕組み「マーケットプレイス」

ITP-V3を日頃からご利用のみなさん、最近新しく機能が追加されていることにお気づきでしょうか。
もし、お手元にPCがあれば、ぜひITP-V3にログインしてご確認ください。
メニューの一番下に「マーケットプレイス」が追加されています。
実は2022年の9月に新しく追加された機能です。
マーケットプレイスは他社サービスにデジタコデータを自動連係する仕組み

従来のデジタコデータは基本的には富士通デジタコを管理する「ITP-WebV3」でしか活用できていませんでした。
正直に言うと、あれだけ多様なデータを取得できていながら、もったいないことをしていたと思います。

今後はこのマーケットプレイス機能を使うと他社デジタルサービスにデジタコデータを自動連係することが可能になります。
例えばマーケットプレイスに登録されている他社の給与計算サービスに申し込むと、利用者はシステムの構築等を意識することなく、自動的にデジタコデータが給与計算システムに取り込まれ、給与データを得ることができるようになるわけです。
本当に画期的な仕組み
通常のDXは
・DX人材の確保が必要
・クラウドサーバーなどのインフラ投資が必要
・コーディングによるカスタマイズやデータのつなぎこみが必要
なので、一般的な運送事業者には費用面や人材面で困難だと言えます。
一方でマーケットプレイスを使ったDXは
・ITP-WebV3の画面上から申し込むだけでOK
・デジタコで採れるデータを多様なデジタルサービスに自動連係できる
・設備投資や人材採用が不要
というメリットがあり、非常に手軽に高度なDXが実現できるわけです。
これは非常に画期的な仕組みであると思います。
現在利用可能なマーケットプレイスのデジタルサービス
サービス名称 | 提供元 | サービス内容 |
---|---|---|
テレマコーチング | SOMPOリスクマネジメント | 安全運転管理業務支援 |
Tirematicsリアルタイムモニタリング | ブリヂストンソリューションジャパン | TPMS(タイヤ空気圧管理システム) |
traevo | traevo | 横断型車両動態管理 |
現在対応しているのは上図の3サービスです。
今後も続々と対応サービスが登場しますので、現在ITP-V2をご利用の方もぜひV3へのアップグレードをご検討ください。
「テレマコーチング」とは?
今回は現在使うことのできるサービスの中からSOMPOリスクマネジメントが開発した「テレマコーチング」についてご紹介します。
SOMPOリスクマネジメントは主に以下のような価値を提供してきました。
・リスク要因を洗い出す:事業に潜む個別の事故等のリスク要因を洗い出す
・リスク要因の大きさを評価する:リスク要因の発生確率や発生した場合の損害の大きさを評価する
・リスク要因を抑え込む:安全教育を提供し、リスクの発生確率を抑えたり、損害の大きさを抑制する
つまり、クライアントと一緒にリスク要因を洗い出し、洗い出したリスク要因がどのくらい重大なものなのかを評価したり、そうしたリスクをどのように抑え込んでいくのかをコンサルティングとして考えていくという会社です。


運送会社の安全教育のノウハウや、デジタコデータやドラレコデータの分析に強みがあるのがSOMPOリスクマネジメントです。

安全教育やデータ分析にノウハウのあるSOMPOリスクマネジメントが富士通のデジタコデータを連携して、ノウハウを結集したアルゴリズムにデータを投入し、効率の高い、ドライバーの運転傾向に合わせた教育コンテンツを自動生成して、運行管理者やドライバーにお届けするのが「テレマコーチング」です。
2024年問題と「テレマコーチング」

デジタコデータの自動分析と安全教育コンテンツの自動生成がどうして有用なのでしょうか。

2024年4月以降、ドライバーの年間時間外労働時間の上限が厳しくなります。
いわゆる2024年問題です。
そうすると、会社としてはなるべく労働時間中走ってもらわなければ、売上の確保が難しくなります。
結果として、売上に直結しない安全運転教育に時間を割きにくくなり、事故発生リスクが増大します。
これが2024年以降、運行管理者が直面する安全管理上の問題です。
特に、これまでは集合教育で画一的な教育を施してきたと思います。
ドライバーそれぞれの傾向があるはずなので、それだとあまり効率が良くありません。

テレマコーチングの最大の魅力は、ドライバー一人ひとりの運転実績を分析して、それぞれに最適な教育コンテンツを自動生成することにあります。
集合教育だと、ドライバーさんによっては「いやあ、こんなことは俺はしないなあ。関係ないなあ」という内容になることもありますが、テレマコーチングであれば、毎回必ずドライバーさんの身に覚えのある気付きを与えられるので、非常に教育効果の高く、タイムパフォーマンスに優れたサービスです。
「テレマコーチング」のメリット
テレマコーチングのメリットをドライバー側、運行管理者側でそれぞれまとめると、以下のようになります。
■ドライバーにとってのメリット
・自分に合わせた教育コンテンツで、自分自身の運転傾向に関する気づきを得られる
・安全教育のタイパ(タイムパフォーマンス)が良い
・安全運転の結果が可視化され、その努力を会社にアピールできる
■運行管理者にとってのメリット
・デジタコデータを分析する作業を効率化できる
・ドライバーごとの運転のクセや運転傾向の変化などを把握できる
・ドライバー教育の質の平準化が図れる
ドライバー、運行管理者双方にメリットのある非常に優れたサービスです。
「テレマコーチング」の3機能
テレマコーチングには次の3つの機能があります。
・ヒヤリハットレポート
・安全運転傾向レポート
・週間まとめレポート
以下では一つずつご紹介いたします。
ヒヤリハットレポート
ヒヤリハットレポートはデジタコが1日に検知したアラートの中から最も重要なヒヤリハットを自動で抜き出し、分析してくれる機能です。

富士通デジタコでは急ブレーキ(急減速)や急ハンドルがあるたびに管理画面に上がってきますが、10台、20台も管理されていれば、一日で上がってくるアラートの数は相当なものになるはずです。
こうしたたくさんあるアラートからどれが教育上重要で、ドライバーごとにどのように伝えればいいのか、ということは、安全管理上必要だとしても、正直やりきれないのではないでしょうか。
テレマコーチングの「ヒヤリハットレポート」はこうしたアラート一つ一つを分析し、ドライバーごとに一日で最も重要なアラートを抜き出し、教育コンテンツとしてまとめてくれる機能です。

左上にあるのは当該のヒヤリハットが起きた前後状況を録画したドラレコ映像で、クリックするとその時の動画を確認することができます。

「テレマコーチング」の優れているのは、漫然と動画を切り取るのではなく、このヒヤリハットが重要かどうかを判断するために「テレマコーチング」のAIがドラレコ動画をきちんと分析しているところです。
例えば、ヒヤリハット発生時にどのような標識があり、ヒヤリハットの対象物が何だったのか、までを判断しています。
下の例では、横断歩道の標識があり、自動車が入ってきたということを「テレマコーチング」が認識している例です。

それからヒヤリハットの発生場所とハンドル操作、ブレーキング状況を可視化した地図が表示されます。
デジタコで取れる加速度センサー情報をわかりやすい形で表現し、地図の上にプロットしています。
例えば、円を大きく描くことで減速の度合いが強いということが分かりますし、半円が右側に出来ていれば、左側に大きくハンドルを切ったということが分かります。


ヒヤリハットがあった時に、ドライバーがどのようなリアクションを起こしたかということが、一目で直感的に分かるようになっています。
タダの紋切り型ではなく、ドライバーひとり一人の運行データを基にしたアドバイス
このように「テレマコーチング」はドライバーのその日一日の運行データから、最も重要なヒヤリハットを分析し、そのドライバーだけに向けたアドバイス受け取れるという仕組みです。
そのため、ドライバーにとっては非常に納得感のあるアドバイスを受けることができます。

ヒヤリハットがなかった日は「安全運転傾向レポート」
ドライバーによって、あるいはその日の状況によってはヒヤリハットがまったくなかった、ということもあり得ます。
そういう日には、ヒヤリハットレポートの代わりに「安全運転傾向レポート」が発行されます。

デジタコのセンサーデータからアクセルワークやブレーキングを分析し、それらがどのような傾向で、これまでの当該ドライバーの運転傾向と比較し、どこがどう改善されたのかというようなことを分析し、教えてくれます。
週間まとめレポート
ヒヤリハットレポートに対して、ドライバーも運行管理者もコメントを残すことができます。

どのような状況で起きたのか、そもそもレポートを読んだ/読んでいない、どのように感じた、など記録を残すことで、週に1回「週間まとめレポート」上で、ドライバーと運行管理者の意識合わせを行うことができます。

対面点呼など、ドライバーと運行管理者が直接会話をするタイミングで、週一回、この「週間まとめレポート」を元にコミュニケーションを取ることで、お互いの意識がずれていないか意識合わせをすることができます。
テレマコーチングを使った1週間の流れ
テレマコーチングを使うと、下記図のような流れを作ることができます。

・日々の運行データを「テレマコーチング」が自動分析し、コンテンツを作成します
・運行翌日に運行管理者&ドライバーにレポートとして送付します(運行管理者のみも可)
・レポートに運行管理者とドライバー(または運行管理者のみ)がコメントを記入します
・点呼時などで週1回お互いに意識合わせを行います
これで月一回集合教育を行うよりも、手軽に、的確にドライバーへの安全教育が可能になります。
「テレマコーチング」まとめ
- テレマコーチングは1運行ごとにドラレコ動画を含むデジタコデータをAIが自動解析し、
ドライバーごとに最適化した教育コンテンツを自動生成するサービスです - ドライバーにとっては画一的な教育ではなく、自分の運転傾向に合わせた教育が受けられることで、安全教育を受講するタイパが改善します
- 運行管理者にとっても自分でデータを分析したりドラレコ動画を確認する必要がなくなります
- 経営者にとっては、ドライバーの集合教育の時間などを削減することで、2024年問題で頭を悩ませる「ドライバーの稼働時間」を確保することができます
- 「ヒヤリハットレポート」などに寄せられたコメントをまとめた「週間まとめレポート」をベースに
1週間に1回ドライバーと運行管理者がコミュニケーションを取ることで、教育効果が得られます
今使っている「ITP-WebService V3」で「マーケットプレイス」を確認してみよう!
今お使いのすべての「ITP-WebService V3」から「マーケットプレイス」がお使いいただけます。
左上の「三」の形のアイコンをクリックして現れるメニューの一番下に「マーケットプレイス」があります。

クリックするとテレマコーチングを含むマーケトプレイスに登録されているサービスが表示されます。

今後、運送業のDXを安価に実現する数々のサービスがここに登録されていく予定です。
テレマコーチング説明動画をこちらからご覧いただけます(YouTube)![]()
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